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「耐震」について
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アビタシオン浄水のある「薬院大通センタービル」は、「都市再生機構(旧・都市基盤整備公団)」による「薬院大通り西地区第一種市街地再開発事業」として、誕生しました。「次代の都心へ」をスローガンとした同再開発事業には、そのスローガン通り、「機構」のこれまでの実績と、実績に培われた確固とした設計哲学を基礎としたプランニングが息づいています。
今回は、設計条件の提示、及び設計内容の確認を実施した都市再生機構に、「薬院大通センタービル」の「耐震についての考え方」などについてお聞きしました。

bill.jpg警固断層が活動した場合の想定をもとにシミュレーションを行い、この解析においても、倒壊・崩壊をしないということが確認されています。

――建築における「耐震設計」一般について教えてください。
耐震設計の考え方については、2004年10月の「薬院高齢者棟の耐震設計について」という文書にまとめられています。それには、まずわが国における「耐震設計」の原則が、以下のように示されています。
ⅰ)建物の耐用年限内に1度ないし数度経験する程度の比較的頻度の多い中地震に対しては、ほとんど損傷を生じない。
ⅱ)きわめてまれに遭遇するかもしれない大地震に対しては、建物に多少の損傷が生じてもやむを得ない。しかし建物の崩壊、破損その他派生する災害により、人身に危険の及ぶようなことがあってはならない。
※ここでいう中地震とは気象庁震度階でⅣ(中震)からⅤ(強震)程度、また大地震とはⅥ(烈震)からⅦ(激震)程度に対応します。

――アビタシオン浄水(薬院大通センタービル)で、どのような「耐震配慮」がなされているのですか。
まず、基本になるのが前掲の「わが国の『耐震設計』の考え方」。つまり中地震についてはほとんど損傷を生じないこと、大地震に対しては、人身に危険の及ぶようなことがあってはならないという考え方のもとに耐震設計をしております。
さらに、「アビタシオン浄水」の近くに警固断層があるということで、地震に関する「防災アセスメント調査報告書(平成9年12月 福岡県)、「警固断層の調査結果(平成13年5月 福岡市)」に基づきシミュレーションを行っています。
仮に警固断層が活動した場合に対してシミュレーションを行った結果、「アビタシオン浄水」の安全性(倒壊・崩壊をしない)については、確認ができています。

――通常では行わない「地震に関する解析調査」を実施されたとお聞きしましたが。
「アビタシオン浄水」は高さが60m.を超えていないので、地震波を直接入力し行う「地震応答解析」は、法規上しなくてもよい建物なのですが、「アビタシオン浄水」では、この「地震応答解析」を行っています。
警固断層がずれた場合どうかという想定のもと(マグニチュード7=30年における地震発生率0.4%:平成13年5月時点)に地震波を想定し、これをもとに模擬的に地震波をつくりだし、これを建物の解析に使いました。この解析においても、倒壊・崩壊をしないということが、アビタシオン浄水においては確認がされています。
今年の3月20日、建物がほぼ完成した状態で地震(福岡西方沖地震)が起きましたよね。けれど、柱や梁などの主要耐震部材にはほとんど被害がありませんでした。これが、事実上の耐震シミュレーションともいえるでしょう。

「耐震設計」の考え方は、あくまでも"人命を守る"ということが前提。
そのために、建物全体でエネルギーを吸収する耐震設計を基本としています。


――建築段階で何度も見学をしましたが、かなりの量の鉄筋が入っていましたね。
鉄筋量をご覧になられましたか。あそこにコンクリートが入るのかなと思うくらいの鉄筋が入っていたでしょう。けれど、ただ量が多ければ多いほどいいということではなくて、全体のバランスが大切です。逆にムダに多く入っていると建物全体のエネルギー吸収能力が低下する場合もありますから...。

――全体のバランスが大切だといいますと。
建物全体で地震のエネルギーを吸収していく、―これを「全体崩壊形」といいますが、この考え方とも関連していますが、壊れたリ、破損してもよいものと、そうあってはならないものを、あらかじめ想定した設計としています。ひび割れがあると一般の方は心配されることも多いと思いますが、ひび割れが起こることでエネルギーを分散して建物を支える柱を守ることができます。当然、倒壊や崩壊は防げますから、補修により建物の使用は可能になる。もちろん人命に危険が及ぶことは防げるんです。
地震のメカニズムはきわめて複雑ですから、そのすべてに対応した「耐震配慮」が必要となりますが、基本として守らないといけないのは「コンクリートの強度」です。ですからそれを確認しながら、上層階まで工事をすすめていくという工事監理を、今回も徹底しました。

――その他「アビタシオン浄水」の「耐震性能」について特別なポイントがありますか。
そもそも基盤がしっかりしているということも大きいですね。お隣の賃貸住宅棟(「薬院大通センタービル壱番館「アーベイン薬院大通駅前」)は、地下2階と深いので、岩盤上に直接のっています。「アビタシオン浄水」は、同じ岩盤により支持されていますが、地下1階なので杭を打っています。また、岩盤までの距離が極めて近いため堅牢な基盤となっています。
また「機構」の建物は、建物に被害が生じる場合であっても、補修・補強の困難な基礎への被害を少なくするという設計思想のもとに設計されています。

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上記のイラストは、福岡市が調査した警固断層についての資料(平成13年5月付警固断層調査結果)をもとに描きおこしたものです。

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